With You Joyous Times Are Here Ⅶ
『The Promise of Eglantine』~ある小さな王国の物語~公式サイト

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この物語の世界は、「信じる心」と「愛された記憶」を根幹に据えた王国を舞台としている。
剣や魔法が秩序を支配する世界ではなく、人が何を信じ、何を背負い、どの立場で決断するかによって世界の形が変わっていく構造を持つ。
舞台となるシンシア王国は、建国以来「愛された記憶が、信じる心を育てる」という国是を受け継いできた国である。
人は幼い頃に受け取った優しさや守られた記憶を力に変え、それぞれの役割を担って生きていく。
この価値観は王族から民に至るまで共有されており、武力や制度よりも、人の在り方が国を支えている。
王国を守る存在として配置されているのが、八将軍と薔薇の騎士団である。
八将軍はそれぞれ異なる性質と傷を抱え、「力」「秩序」「情」「沈黙」「火」「水」など、相反する価値を体現する存在として配置されている。
彼らは完成された英雄ではなく、過去の喪失や後悔を抱えたまま、それでも前に立つ者たちだ。
薔薇の騎士団は、剣技だけでなく、礼節と心を守ることを使命とする集団であり、隊長ワトレルを中心に「誰かの背中を守る」役割を担っている。
ここでは、強さとは敵を倒すことではなく、恐怖や混乱の中で立ち続けられるかどうかで測られる。
一方、王宮の外縁には、祝祭工房や宮廷厨房といった「戦わない場所」が存在する。
ヒラムやツノフ、ショーン、トムソンといった人物は、剣を持たず、笑いや食事、ものづくりによって人の心を支える。
この世界では、戦場に立たない者たちもまた、等しく国を構成する重要な存在である。
さらに、この物語は生者だけで完結しない。
ネイロのように、記憶そのものとして世界に留まる存在が示すように、過去は消えず、形を変えて現在に影響を与え続ける。
時間は直線ではなく、愛された記憶が何度も反射し、未来へと波紋を広げていく。
この世界の最大の特徴は、善と悪、強さと弱さが明確に分けられていないことである。
誰もが正しさと危うさを同時に抱え、選択のたびに傷つきながら進む。
だからこそ、この物語は勝利や結末よりも、「どう生きるか」「何を守るか」を問い続ける。
シンシア王国とは、
人が人を信じることを、何度でも選び直すための世界なのである。
ミュージシャン達が創り上げる世界は、善悪ではない。
その生き方そのものを問う。それがこの物語の、キャラクター達の生きざまである。